築100年の古民家をリノベーションしたショールームです。
気密性・断熱性・耐震性・工期・コスト・便利性などが重視されている現代において、
なぜ古民家が見直されているのでしょう。
それは、数値や、レベルでは表せない魅力、雰囲気や存在感、
ゆとりある空間が求められているからではないかと私たちは考えます。
[リノベーションコンセプト]
築100年。空き家になって数十年。両親が営んでいた個人病院。
子供のころつけた柱の傷や、両親の面影を感じる雰囲気を残しつつ、自分たちの好きなものを加え、仕様にもこだわった、快適に暮らせる住空間を実現。
都会から移住する夫婦の将来の暮らしを見据えてリノベーションをすることに。
[栞の特徴]
内装の意匠を剥がせば、長年この家を支えてきた立派な柱や梁が姿を表しました。中心にある大きな大黒柱。それに向かって配置された梁。壮大な小屋組み。その家を支える躯体を組立るために、当時の大工たちが手業で行った仕口や継手の接合。当時の大工の技術は、100年たっても2~3㎝のゆがみしかなく、重厚な家を支え続けてこられたことが物語っています。
長年の材料の不朽を補い、今後の自然災害にも耐えられるように、ジャッキアップや金物補強、湿気対策として土間コンクリートにするなどの施工を行いました。
組子などの手仕事や材料などディテールへのこだわり。
今のシンプルスタイルとは非なる、無駄にも思われる装飾を施した「凛」とした建具や家具。毎日使われることでより一層、風合いや味となって魅力を増しています。
今回は診察室のドアと蔵の建具を加工し、補修をかけ、、リノベーションした開口部に再利用しました。
古民家は、日本の高温多湿の夏を対象とした造りになっています。保温性や気密性より風通しを重視したため、隙間風や底冷えは我慢。そんな考え方が、古民家が空き家になりつつある原因の1つでもあるのではないでしょうか。
現代の地球温暖化による気候や気温の変化は、我慢だけでは、耐えられないものです。古民家の趣を残しつつも住宅として、「そこに暮らすこと」に重きをおき、夏でも冬でも1年中快適に暮らせる仕様になっています。
鬼瓦や熨斗瓦の段数、巴瓦、漆喰・焼き板など、外観には古民家独特の造りがあります。
職人や地域の個性が現れる瓦。
垂木にも漆喰を施工し、今では、施工できる職人も少ない逸物。
家は、都度手入れをしてこそ、永く持ちがよくなりますが、築年数が古くなればなるほど、手入れに手間がかかり、高額になるという現実もあります。風雪をまともにうける外観は尚のことです。
そういったコスト面でもさまざまな提案ができるよう、葺き替え・補修・リペアなど、部分的に見ていただけるように工夫しています。
陽の当たるところにお客様を通すスペース、家人は暗い部分。部屋間には段差がある。
そんな間取りを一新し、現代の暮らしにフィットした動線を意識して再設計しています。
立派な梁・柱で組み立てられたベースがあるからこそ、自由でゆったりした空間の間取りを実現することができます。また、古民家でも、地震によるゆがみや揺れの少ない家を目指し、壁を配置するバランスにも配慮しています。
最新のシステムキッチンをはじめ、家事が楽になる安全性の高い設備機器の設置や、IOTなどを駆使し、家電や照明・給湯も遠隔で操作もできる最先端のシステムを採用しています。
徒然草の第五十五段「家の作りやうは、夏をむねとすべし」の日本家屋を 冬の寒さに耐える家に。 寒い・隙間風というイメージを払拭。
アルミ樹脂複合サッシ ガラス
LOW-Eフィルム付きアルゴンガス入り複層ガラス
ロックウール アムマットプレミアム155㎜
旭ファイバー アクリアネクスト 105㎜
※一部土壁を残している部分もあります。
フクビ化学 フェノバボード 45㎜
現状 低い耐震評点(0.13程度)だった間取りから 土間コンクリート基礎を施工、壁量や壁配置バランスを検討することにより、耐震評点1以上までアップ。 現代建築基準をクリアする程度までの耐久性をアップしました 。
※古民家では、仕様により限界耐力計算で判断することもあります。
配管のやり替え、最新設備を搭載した省エネでこれからの生活を考えた機器類を古民家にも実現 不備をそのままが一番家の不朽を進めるため、高額でないメンテナンス方法も取り入れています。
- ヘッダー配管を使った継手の少ない配管
架橋ポリエチレン管の配管材 - 在来工法でなくシステム設備を利用し、密閉性を高め、水くさり、湿気くさりを防止する
- 先行空配管や、点検口の設置
重視した改修
- 鍵ストレスを緩和する電子錠の採用
- IOT設備(スイッチ・インターホン等)
- バリアフリー(段差がない、引き戸優先の間取り)
- 「ウチ(内部)」と「ソト(外部)」を一体で楽しむ
- あらためて四季や行事を楽しむ
- 蔵を趣味室に
[Renovation House 栞について]
山道で迷わぬように、枝を折って道しるべとしていた「枝折り」のことを別名で「栞」と言います。住まいや生活の道しるべになる場所という意味を込め、「Renovation house 栞(しおり)」と名付けました。
リノベーションと聞くと、壮大すぎて全体像がイメージしにくいモノ。一歩踏み出したくても踏み出せない、そんな方の道しるべになりたいと考えています。
新築・リノベーション・解体・売却・購入、という住まいの選択。現状向上、住み替え、住み継ぎなど、さまざまな住まい生かし方のヒントにしていただければと思います。
「世の中に同じものは1つもない」そして「どんな形にも変えれる」というリノベーションの魅力をどうぞお楽しみください。
地元の方に愛着を持たれる
場所でありたい。
栞では、住まいに関するセミナーやワークショップをはじめ、 個展やフリースペースとしての活用も企画しています。セミナー、ワークショップなどを開催したいなどございましたら、お気軽にご相談ください。
[運営会社からのメッセージ]
ニュースで目にする空き家問題は決して他所の町のことではなく、この福崎の地でも起こっています。 スクラップ&ビルドの時代の家から、少し外れた古民家。「もったいない」とは思うけれど「維持にコストがかかる」と厄介者扱いで取り残される 取り残されたままの建物はより一層不朽が進む一方です。
最近は、地球温暖化や森林破壊、ゴミ問題様々な環境問題が取り沙汰され、より一層サスティナブルな思考への進化が求められています。当社としても、環境への配慮は努力目標の1つです。しかし、サスティナブルという名目というより「今では手に入らない、永くそこに居る古民家をただただ残したい。」という思いを強く持っています。
家は1家系で住み継ぐモノという考え方から、住みたい人がそこに住む時代へと価値観が広がり、変化しました。 そんな古民家の魅力をこのショールーム「Renovation house 栞(しおり)」を通して知っていただきたいです。
神崎郡福崎町で住宅、マンションのリフォーム・部分修理修繕、新築注文住宅の施工を行っています。お客様の暮らしに応じて住まいを変化させることで、ぐっと快適な毎日になります。長年培ったリフォームのノウハウを活かし、新築住宅の施工も行っています。
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